主人はよくわたしを「ワナ」にかけようとします。
わたしを悲劇の主人公にしたてようとするのです。
「こんな俺と結婚してくれてありがとう。
俺たち20年間苦労ばっかりやなぁ。
お前は貧乏くじを引いたなぁ。ごめんな。
あっちゃんは、ほんまに身体弱いからかわいそうやなぁ。
俺、うだつがあがらんから、お前には肩身の狭い思いさせるなぁ。
そのうち見ててくれよ。
絶対に幸せにしてやるから…」
ちょっと前のわたしなら、主人からこういう言葉をかけられると、
手を取り合って一緒に涙うるうるさせながら、
「あなた…わたしのことを思いやってくれてありがとう。
あなたがいてくれたら、こんな苦労なんて平気だわ。
わたし、頑張る!」
と、まんまと主人の「わな」に引っかかり、苦労を背負った不幸な女性として
慎ましやかに生きていかねばならないところでした。
さて、今はどうでしょうか?
「こんな俺と結婚してくれてありがとう。
(「こんな俺」ってなんだよ)
俺たち20年間苦労ばっかりやなぁ。
(そうか?結構楽しいときもあったやんけ。あんたも楽しそうやったやん。)
お前は貧乏くじを引いたなぁ。ごめんな。
(貧乏くじひいたんけ?そうか?全然そうは思わんぞ)
あっちゃんは、ほんまに身体弱いからかわいそうやなぁ。
(弱いなりに、ちゃんと生きてっけど?全然かわいそう違うけど?)
俺、うだつがあがらんから、お前には肩身の狭い思いさせるなぁ。
(なんであんたがうだつあがらんとわたしの肩身が狭いの?
そんなこと、わたしには関係ないやん。)
そのうち見ててくれよ。絶対に幸せにしてやるから…
(いえいえ、「そのうち」なんつーのは一生来ないって。
「そのうち」っつのは最大の妄想だって。
それに、幸せにしてもらうつもりはない。
わたしは今すでに幸せだ。)」
手を取り合って泣くどころか、この辺から主人は大笑いしだします。
「わっはっはっは。
あっちゃん面白いなぁ。」
うちの主人は、すぐに物事を悲観的に論じる癖があります。
論じるだけで、頭の中が悲観的かというとそうではありません。
当の本人は、結構人生楽観主義者。
じゃあ、なんでそういうことを言うのかというと、
人が落ち込んだ様子を見て、逆に自分の安心感や優越感を
得るんだそうです。
嫌な奴ですよね〜〜〜〜。
でも、案外多いでしょう?こういうタイプの人。
なんとか自分に興味を引いてもらうために「悲劇の主人公」を演じたり
なんでも悲観的な話にしていったり…。
で、わたしが言いたいのは、こういうこと、自分の中でもやってないか?
ってことです。
わたしって、こんなひどい両親に育てられたから…
わたしって、こんなひどい病気にかかったことがあったから…
わたしって、こんなひどい体験をさせられたことがあったから…
わたしって、こんな悲しい目に合わせれてきたから…
わたし、やってました。
わたしの両親は最低で、小さい頃から身体が弱くて最低で、
いじめにあったこともあったし夫から暴力を受けたこともあったし、
誰も助けてくれなかったし、…あげだすときりがありません。
でもね、気がついたんです。
これって全部過去の話。
いろいろあったけど、もう、仕方がない。
素直に生まれてきたはずの自分の性格が、
過去の出来事でゆがめられたのかもしれない。
それは、わたしも否定はしない。
トラウマをひきずり、
恋愛や異性関係がうまくいかないっていう事実もあるでしょう。
だけどさ…
それ、いつまで引きずるの?
もう、やめない?
自分を悲劇の主人公にするのは。
損だよ。
あなたを解放してあげられるのは、
あなたしかいないんだって。
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