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 まゆみんの、50回以上のお見合い遍歴   ベッドはキングサイズ

  

そんなに大きくはない飛行場に降り立つと、社長が待ってくれていた。日曜日で、会社も休みなのだ。到着時間は飛行機に乗る前に連絡してあった。

「どうしましょうか」と社長が切り出す。
「私は仕事できたんですから、まず会社がどんな感じなのか見せていただきたいですね。看板て、どのくらいの大きさなのか、周りの状況とか見たいですし。夕方の飛行機で帰らないといけませんしね」
「泊まっていけばいいのに…」
「雇われ者の身では、そういうわけにはいきませんよ」
泊まっていくなんていったら、危険じゃありませんか。

遠目から会社を見ると、ずいぶん遠くからでも「トラック」の文字が見える。
「これでもう、充分宣伝効果があるんじゃありませんか?
 看板が変わると、トラックの会社じゃなくなったような気に見る人がなるのでは」
「それでいいんです。もう、長いことやってるからみんな何の会社かわかってるしね」
「そうですか」

会社に到着。
社長は車を停め、屋内へ。
ここでトラックを見た覚えがない。事務所には、作業服を着た男性社員が2人ほどいて、挨拶してくれた。
「こちら、この上の看板を描いてもらう大阪のデザイナーさん」
「あ、こんにちは。よろしくお願いします」
ぺこりと挨拶。

「中を案内するから」
「いや、案内より、私は仕事を進めたいんですけど。作業する場所があればいいですから。先ほどの、従業員の方が居られるところでもいいし」
「そんなのは、あとでいいから」
「後でと言っても」
私は次々にアイデアが浮かぶわけではないし、いいネタを出すにはある程度あれこれいじくってからになるから、早く取り掛かればそれだけ話が早いのに。
という私の言い分など聞く様子もない。

応接室、社長室など来客の対応の場所のあと
「こっちへ」
住居部分があり、リビングルーム、トイレ、2階へ行ってベッドルーム。
「このベッドはキングサイズなんですよ♪」
「内装も家具も揃って新しくて、主人をこれから迎える新婚さんのための家みたいですね」
新しいのがうれしくて見せたいのかと思っていたのですが。
「ちょっと入ってみてくださいよ。ふかふかなんですよ。触ってみたいと思いませんか?」

 …
おいおい。
こないだ友人が心配したネタのとおりの展開か?
その手は喰いませんわ。

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社長の顔はとても嬉しそうなのが、あまりにばればれで。
いかがわしい顔ではないけど、いかがわしい想像をしているとしか思われないのであった。
さて、どうする?




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