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サンプラザ万助の向かいにある貸衣装店では、白無垢や華やかな色内掛けを
上着を脱いで軽装になった上からいくつか着せてくださいましたが…
「十二単(じゅうにひとえ)の衣装がいいんですけど」
「うちにはないですね〜。色内掛けも華やかでいいですよ」
「そうですね。でも中学生のときから十二単が着たいと思っていたんですよ。
皇太子のご成婚より前に、高円宮様がご結婚されたときで…」
それはわがままだと諭(さと)される前に、こちらの思いを伝えるのだ。
「そういえば、あれがあったじゃない、出してきて」
お店の奥から素敵な水色の色内掛けが登場。
「これなど、いかがですか。すそが重なっててね」
色内掛けは、皇帝が着ているマントのように、後ろを引き摺って歩くように長くなっていて、
裾(すそ)の端から端までお布団のように綿が入って膨らませてある。
持って来てくれたものは裾の膨らみが二重になっている。
色柄共に素敵なもので工夫してるのもわからんでもないけど、どこが十二単やねん。
「ここだけですか?十二単風なのは」
「襟(えり)も重なってるんですよ」
襟もそういえば、重なった形になっているけど
「どうやって着るんですか?」
「内掛けと同じで、着物の上に羽織る(はおる)んです」
どうやらそもそもお店の方が、十二単の形を良く知らないんだ。
私もよくわかっていないけど、お店に期待するつもりで来たけど
「う〜ん 違うのは否めませんねえ」
「他のお店でもご覧になったほうがいいかもしれませんねえ。
この辺では他も大体似たような感じだと思いますけど。」
「そうですねえ」
私も華やかな衣装を見せてもらいたいわ、と同行されていた足立さんも
(彼を紹介してくれた92歳のおばあちゃん)
「白無垢や内掛けの方が、上品でええで」
「そうですねえ。でも中学生のころから結婚式に十二単が着たかったんですよ」
「まあ、それは本人が納得せんとなあ」
というわけで、
この辺りではドレスに憧れるご婦人方は多いけど、和装趣味はまだ発展途上のようだ。
ちりめんの本場が近いけど、その分「着物本来の着方」でないと許されない気風もある。
探し方を変えないといけませんな。
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彼は、特にご意見するわけでもなく、状況を眺めていたらしい。
私が「他を当たることにしましょうか」というと「そうですな」と応える。
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トイレには「うすさまのお札」
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